その他

あと、挿入歌ではないんですけどエンディングのSuzuの歌もよかったなあ。


で、実はこの映画、原作付きです。五十嵐藍の『ワールドゲイズ クリップス』というまんがです。
http://booklog.jp/item/1/4041204143
原作もオムニバスで、映画のエピソードは一応元は原作にあります。一応というのは、同じ舞台、同じ登場人物、同じモチーフなんだけど違う噺として書き換えているのでデジャブはあるけど気にせず独立した映画として楽しめるという感じですね。原作の完全再現を求める原作ファンは、そもそも話が違うので怒る矛先はないし、僕みたいにむしろ違う方が嬉しいという原作ファンにはよい映画だと思います。


さて、全体に、主演には可愛い女の子を揃えています。そして、最初のエピソードに顕著ですが、というか最初のエピソードはそこに捕われて失敗した感がありますが、どれも、女の子を可愛く描いて、それなりの長い時間見せる作りになっているように感じました。僕達は既にはそういう作品を知っていますね。そうです、夕張映画祭などで大人気だったた、『好夏』シリーズです。特に最初の(というのは、映画祭で観たのが最初という意味で、トータルでは二作目らしい)やつ。
それを思い出して、なんかもしかして、監督たちのステップアップのために、原作を「使われ」てしまったのかなあという疑念が出てきてしまいました。勿論そうでない可能性もありますし、原作者が納得していれば僕が口を出すことではないんですが、何となく。
と思っていたらなんか公式サイトのトップページのカルーセルに、映画の女優を描いた、五十嵐藍描き下ろしの各エピソードのイメージイラストが組み込まれてて(この日記を書いているのは8/9)、良好な関係なのかなという気がしたので思い過ごしかな、済みませんでした。


まあしかし、何だかんだ言いつつも観てよかったなあと思います。部屋に帰ればあるのに待ちきれなくて、帰りの電車で原作買って読んでしまうくらいには楽しみました。

倍音

成績優秀なリカが、もうすぐ留学で学校を離れる黒井と交流を持ち、学校や街の色々な音を録音してiPodで聞くという遊びをする話。


黒井が、留学が決まって突然さびしいよぅ感を出しながら近付いてくる人達にうんざりしていたり、リカがそういうところに結構冷めていてそれだけにいい友情を育めたり、ちょっとした立ち居振る舞いが(僕のようなおじさんから見た)リアルな女子高生っぽい感じ(つまり僕なんかでは思い付きようのない振る舞いをしていたり)があったり、それをちゃんと適切なカットの長さ、場面の長さ、BGMで表現していたりと普通によい映画だったと思います。


特にリカ役の松岡茉優がよかったなあと思って出演歴なんかを見てみたら結構いいところの作品に出てて……って『リトル・フォレスト』に出るのか! 主演が能年玲奈だと思い込んでいたら橋本愛でがっかりしていたけどこれは観るか。
閑話休題、そんなわけで最後のエピソードだから辛いかも知れないけど、観に行った時には三エピソード目まで観るのがいいと思います。


あと最後の黒煙、演出としていいと思ったんですけど多分あまり映画で煙草を吸わせないのと同じ感じでよくなくて、それを禁止してもちゃんといい演出のできるディレクターだと思うのでそこ頑張ってくれると嬉しいなと思いました。

らくがき うわがき

絵を描かずにはいられない、でも美術部は辞めていて、一人で細々と書いている里未の話。


美術部も辞めて絵を描くのを止めた筈だけど、文化祭の出し物で描かされることになってしまって、また絵を描くことについてのあれこれが出てきてしまった里未。元クラスメイトの、退学していてたまたま仕事で学校の壁を塗りに来ていた古谷を見付けて交流を持ち、絵を描くことについての愚痴を言っていたら叱られたりと、そういう感じのエピソードを重ねていく映画でした。荻野というやっぱり美術部で古谷とも交流したり里未の絵を汚したりする登場人物もいるのだけど何か空回りしてよく分からない感じになってしまっていました。


というわけで、脚本もあまりよくなくて、里未役の佐藤すみれも悪くないんだけどミスキャストかなあ感がありました。「リトル・トリップ」の未来穂香だったらもっと合ってたかなあ。元気そうな人にぼうっとした役をやらせる感じがいいと思うんですよね。ディレクションは安定の台無し感です。

リトル・トリップ

よく授業をサボる遊び慣れた、と言っても男遊びとかじゃなくて一人であちこち遊びまわるのが得意な風の友希と、委員長と呼ばれるいつも勉強しているお堅い感じの絢子の話。


友希が屋上でだらだらしていると絢子が男の子に告白されている現場を目撃、やれやれ、という顔をして入り口のドアから後者に戻るとたむろしている女の子達、「あいつが告白されるとかおかしくない」みたいなことをささやき合っています。やれやれ、という顔で階下に戻る友希。その後、放課後に絢子を見かけて話したり、少しずつ仲良くなっていく友希。
絢子が苛められ始めたのをきっかけに知り合いから車の鍵をだまし取って二人でプチ家出をしてしまいます。その辺の交流が本編。


友希が絢子をぐいぐい引っ張って内に籠もった感じを少し開く話かと思って観ていたら、というかしばらくは実際そういう話だったのだけど、突然友希が絢子の言葉にカチンときて怒り出して、二人別々に行動したり絢子から歩み寄って仲直りしようとしたり、意外と対等な感じなところにびっくりしました。


脚本は普通によくて、それから俳優が、特に友希役の未来穂香が、予想外に上手くて、期待していなかった分とのギャップもあってとてもよかった。でもどっちも、ディレクションが台無しにしてしまった感じ。何だろう、女の子の容姿的な可愛さをよく見せようという感じなのかな、場面に緊張感がなくて、短い映画なのにだれてしまいました。

放課後ロスト

ユーロスペースで映画『放課後ロスト』を観て来ました。
http://www.hokago-lost.jp/


チケットを買ってからちょっと時間があったので、映画館のビルの一階にあるカフェ・テオっていう所で、萩尾望都の『AWAY』を読みながら軽食を取りました。
http://ja-jp.facebook.com/pages/Cafe-Theo/195168043857290


木製のプレートに盛られたグリーンカレーとサラダがとても美味しかった。ちょっと濃い目の味で、今日は少し歩いて疲れ気味だったのでちょうどよかったですね。


で、映画。
高校生の女の子を主人公にした三本の短編のオムニバスです。ネタバレもありそうです(まだ書いてないからはっきり言えない)。