北大植物園の怪

上で言った通り『ワーウルフ:ザ・フォーセイクン』のストーリーテラーをしました。
ウサギは出せませんでした。
どんなストーリーだったかはおいおい犬キャラに書くとして、ここは日記なので極々主観的なことを。
どうしても言い訳臭くなってしまいますが……。


各々個別オープニングをしたのですが、一人、以前僕がストーリーテラーをした『ワールド・オブ・ダークネス』のセッションで、最後にワーウルフとしての《最初の変身》*1を迎えた人がいて、その人には、その直後から今回のセッションを始めさせてもらいました。
だからワーウルフのことは何も知りません。
部族とかギフトのことなどは適当に処理して*2、この「ワーウルフのことを知らない」というのを巧く利用できると思って、シナリオを作りました。
ふらふらとサッポロの北大植物園へ彷徨い着いたそのキャラクターの縄張りに、次々と別のプレイヤー・キャラクターがやって来ます。
一人はサッポロのパックと音信不通になったことを心配するアサヒカワから。
一人はサッポロから精霊が流れて来て害を被っているカムイコタンから。
彼等が出会い、何故か意識を失っているワーウルフを見付けます。
ワーウルフは気絶していると人間の姿に戻ってしまうのですが、キャラクターの一人が面識あったため、ワーウルフと分かりました)
そう言えば、人間の姿同士でも互いにワーウルフと分かる、と言い忘れましたが、プレイヤーが空気読んでくれて助かりました。
そこで、プレイヤー・キャラクター二人がワーウルフ、フォーセイクンのことを説明する、という展開を期待していたのですが、一向にその気配を見せなかったので予定を繰り上げて植物園警備員が登場、その処理に励んでもらいました。
何とか事態を収拾し、一人は警備員を遠ざけ、二人残されたので、シーンを変えました。
ここが失敗点。
これは警備員ともう一人をシーンアウトさせるべきでした。
そうしなかったためにワーウルフに関する説明が端折られてしまったのです。
ここで、実際に説明させておけば、そのキャラクターのフォーセイクン観が、見えた筈なのです。
まず、フォーセイクン観が見えるというのが大事ですし、それを口に出すことではっきりと、その場にそういう雰囲気が生まれることが何より大事だったのです。
何故なら、その後のシーンで《穢れなき部族》*3、それも元はフォーセイクンで寝返ったワーウルフが出てきて、フォーセイクンに価値観の転倒を見せる、というのがシナリオの要所だったからです。


そんな失敗の兆候を見せつつもまあ、取り敢えずそのワーウルフに喋らせれば一応は目的を達成できるかな、と思っていたら、それすらできませんでした。
気絶したワーウルフが襲って来たので倒して、また気絶したのですが、それに対して何と、殺した挙句に「腐る塵*4」の霊宝*5を使う始末。
そのワーウルフの口から色々と語るところがシナリオのメインだったのに……。
しかし、そいつが目覚めると、再生不能ダメージを受けているので〈死狂夷〉*6状態になってしまいます。どうしようも無かったわけです。
プレイヤーに非があるわけでもないところがこのシステムの難しさなのかも知れません。
戦闘種族であるワーウルフには、必ず、死体処理の問題が付き纏う筈です。


あと、セッション終了後、プレイヤーが微妙な顔をしていたので、きっと失敗したのかもしれないなあ……。
時間が無かったとは言え、もう少し、乗り易いジェットコースターのようなシナリオにすればよかったかも。


大事な目的の一つである『W:tF』を知る、については、やっぱりこのシステムを特徴付けているのは〈調和〉*7の特性なんではないかという結論。
人の物を盗んだり何なり、人間では罪とされていることすら、行っても〈調和〉が下がらないそこに人間とワーウルフの分かり合えないところが、潜んでいるようです。
しかしこれは諸刃の剣で、人間であるプレイヤーにも分からないので、キャラクター作成を監督したプレイヤー三人中三人が、作成時に〈調和〉を下げて経験点を得ることに抵抗を感じていなかったようです。
もう少し、〈調和〉減少による罪悪感を、覚えられるような説明をするのも課題です。

*1:First Change。

*2:《黒き狼》の寵愛めでたいことにしました。

*3:Pure Tribe。

*4:Decay Dust。物を素早く腐らせる。

*5:Fetish。

*6:Death Rage。シグルイと読む。

*7:Harmony。人間の〈道徳〉に相当。