kitteミュージアム

kitteにある博物館がやばいらしいと聞いたので行って来ました。

JPタワー学術文化総合ミュージアム インターメディアテク
http://www.intermediatheque.jp/


kitteの博物館は東大の博物館らしくて、東大所蔵の物が色々並べられました。中は広いんですが、そうは言っても博物館としては充分でないのか、「ここは魚類エリア」みたいなところで一区画取るような贅沢な作りではありませんでした。でもそれがよかった。鳥類のエリアの隣に流体力学の模型が置いてあったりして、ちょっとずつ関連があったり、あるいは無いのもあるんですが、少し歩くだけで全く違う分野に出会えるので飽きが来ません。


しかも無料。


これは興奮だし、木曜、金曜は夜八時までやっているらしいので仕事帰りに寄るのも簡単。ぜひ続いてほしいなあと思ってミュージアムショップの人に聞いてみたけど、金銭的に応援しようと思ったらミュージアムショップの物を買うしか無い感じみたい。あんまり物を増やしたくないからパンフの電子版売ったり少額のドネーションを受け付けてくれるといいんだけどなあ。


その後は下北沢でマジックスパイスに初めて行って来ました。行ったの三時頃なのに二十分待ちとかですごい人気。id:o-9さんが好きそうなカレーでした。

鉄くず拾いの物語

ダニス タノヴィッチ『鉄くず拾いの物語』を観ました。


ドキュメンタリーでもフェイクドキュメンタリーでもないのに(劇中の)説明なしでドキュメンタリータッチとか、映画としてみると結構不満はあるんだけど題材が僕にはフィットしてすごくよかったのでパンフレットも買ってしまいました。


『殺人という行為』みたいに作ってくれたらすごくよかったのだけれど。

あまい囁き

二宮ひかるあまい囁き』を読みました。

『アイであそぶ。』、『ダブルマリッジ』を経て、往年の二宮ひかるが帰って来たかのような本。ただ、違うのは、違うっていうことはないんだけど、男の視点が、少ないことかな。

一冊を通した連作短編集になっています。大部分は高校生の女の子亜希子の視点で、三十歳の男の人に恋しているところを描いています。ところがその男の人、かつて母の愛人だった人。殆どずっと二人だけの話なのに、こういうことで奇妙な「三角関係」になるのが、面白いですね、三角関係自体は昔もとてもおもしろい物を色々と描いていましたがこういう形は初めてかしら。二人の間に、その母のことがあるようなないような状態で話は進んでいきます。

と言っても、往年の二宮ひかると言ったように、話が「進む」ということにはあまり意味がなくて、同じようなところをぐるぐるぐるぐる回って、でもそれぞれの「ぐる」にいろんな角度からの思いが反映されて、そこがたまらなくおもしろい。

個人的に残念なのは、男側の視点がちょっとしかないことで、昔からこの人の描く情けない男が好きだったのですよね。

まあ、せっかく新しい本が出たのに、昔の話ばかりしているのもよくないですね。この本で、勘を取り戻した感じはあって安心したので、次の本はなんかチャレンジしたりするのかなあ、でも二宮ひかるだから、同じような話を書くかも知れなくてそれもいいなあ、と楽しみにしています。