夢=鍵

 Sleepless Night
 夢を見たい

      ――宇多田ヒカル『東京NIGHT』


チェンジリング:ザ・ドリーミング』のキサイン、即ちチェンジリング達は、僕達と同じ世界を見つつ、同時にそれと重なる夢界(the Dreaming)と呼ばれる世界も見ています。
現実世界の色々な物は、この夢界では、乱暴に言うとその「夢」の要素を反映した姿を取ることになります。
例えば、今住んでいるこの家が、夢界では大きなお城で、中を忙しく給仕が行ったり来たりしているのかもしれません。


さて、当然凡俗な僕達(<凡庸性>が高い、と表現されます)には、そんな夢の世界は全く見えないわけですが、しかし、キサインに魔化(Enchant)してもらうと、ちょっとの間だけ、見ることができるんです。
妖精が作った焼き菓子を、食べさせてもらったり、ネクタイを直す振りをして、そっとそれに夢を吹き込んでもらったり。


今日目が覚めると僕は魔化されていて、ベッドの周りには花びらが舞って、その一枚一枚には色々な、ユルセルーム各地の風景が、顔を覗かせていました。
ふんわり心地で、何か、ファンの人も沢山ユルセルームの物語やら歌なんかを書いていて、それが全部僕の周りに集まっていて、意外と冷静に「ああ、皆、いい物語を描くな。やっぱり、沢山の人に、愛されているんだな。いいな」なんて、キメラ*1とお話していました。


ユルセルームに行くには、ちょっとした切っ掛け、“鍵”を見付ければいい、なんて言われていますけど、ひょっとして、これが鍵だったのでしょうか。
勿体無いことをしました。
最近とみに、ユルセルームに行きたいなあ、と思っている所だったのに。
鍵は手に入れても、使えないなんてね。最悪です(笑)。
ああ、一生に、一度くらいは、ユルセルームを旅してみたいなあ。




…………ブウ――――――ンンン――――――ンンンン………………。

*1:夢界の住人達のこと。こいつは、パンダの姿をしていました。