トラブルシューティング

「明日、GMなのに、シナリオが無い! どうしよう……。かくなる上はどっかから持って来るしか」
「他のシステムのシナリオを、自分のシステム用にコンバートしようと思うんだけど、何か注意点あるかなあ。」
「今展開中のキャンペーンがあるんだけど、面白そうな単発シナリオも見付けたんだよなあ」


はい、お任せください。
……と言っても、僕が何とかするわけじゃなくて、ここはプロのRPGライターを頼りましょう。
主に「ワールド・オブ・ダークネス」シリーズで活躍中のフリーライター、マシュー・マクファーランドです。愛称はブラックハット・マット(悪坊マット)。


彼のサイト「Blackhat Matt Storyteling Page」にある、エッセイ「Single Serving Adventures(独立シナリオ)」をご紹介します*1
これは、出来合いのシナリオを巧く運用するノウハウ記事です*2
単発セッションの場合も、キャンペーン中のある一話の場合も使えるように書いていますが、アメリカのRPG事情*3か、その方がより技術を必要とするからか、大体においてキャンペーンに挿入することを念頭に置いているようです。


マット曰く……

ステップ1 : シナリオをちゃんと読む

当たり前ですね。
でも、ルールやシナリオ内の事件に誤り、変な箇所があるかもしれないから、注意するように、とマットは警告してくれています。
更に、仲間やキャンペーンに合うかどうかを把握しながら読むこと、書いてあるならPCの適正レベルにも注目しなさい、と。

ステップ2 : カスタマイズ、カスタマイズ、カスタマイズ

うるさいほど繰り返していますね。
マットは、おびただしいほどの出来合いシナリオをGMしてきたそうですが、大なり小なり変更を加えなかった物は無いと言います。
まず重要なのは、その物語を自分の物にすることだそうです。つまり、自分とプレイグループに合うように。
それから、既にそのシナリオを読んでしまっているプレイヤーを相手にする時にも役立ちます。もっとも、GMしないシナリオを読んでしまうなんて、よく分からない、とも言っていますが。
最後に、注意すべき点として、「ただ元と違う物にする」だけの目的でカスタマイズしてはならない、と言います。
カスタマイズするのは、時間や労力を節約する為で、シナリオを壊すのが目的ではないのです。

ステップ3 : リハーサル

場面場面をちゃんと描写できるように、それもカスタマイズした箇所は入念に、事前に準備しておくように、マットは促します。
セッションで初めてプリントアウトした物を読むなんて、とんでもないと。
事前に読んで、渡すべき情報、喋るべき言葉、予想される質問への答えをちゃんと準備しておくべきなのです。最後の物の延長として、シナリオに書いていない、プレイヤーがとるかもしれない選択肢の対処も考えておくべきです。
そのシステム向けじゃないシナリオの場合、尚更です。
それに、書いている人が、そのRPGをプレイしたことが無いということすら、ある、とも。

いざ、セッション

そして、記事は、実際のセッション時の注意へと続きます。
始め、PCを一つにまとめるには独立シナリオは便利ですし、キャンペーンならシナリオのNPCを巧く使えばいい、「影響(結果)」の節もキャンペーンに差し挟む時には大変有用です。

プレイヤーに関する問題

最後にマットは、「出来合いのシナリオを好まないプレイヤーもいる。シナリオをキャンペーンの中に巧く取り込むことが肝要だ」と前置いて、その為のアドバイスを並べています。
すなわち、「キャラクターをよく知ること」「俯いて紙ばかり見ないこと」「記述に囚われないエンディングを」「シナリオを読んでる奴への対処」「PCの実際の行動、実際に起こったことをメモすること」です*4

*1:僕、英語は苦手なので、誤読があったらご指摘お願いします。すぐに直しますので。

*2:マットはそう言っていませんが、別システムのシナリオのコンバートにも使える記事だと、s2は思います。

*3:キャンペーンが多そうな印象。

*4:それぞれについてちゃんと解説されています。