ダブクロセッション

ダブルクロス The2ndEdition』をプレイしました。
サプリメントアルターライン』を使用し、舞台を平安京に移してのセッションです。
このサプリメントでは「平安京物怪録」、オーヴァードの存在が隠されていない、寧ろ当たり前となった「デモンズシティ」、PCがMMOの世界に入り込んで出られなくなってしまった「ロストエデン」の、三つの奇妙な舞台でのセッションを可能としています。


プレイヤー・キャラクターは以下の通り。
PC1:天皇の息子だけど生まれてすぐに蛙の姿となってしまったので、殿上人を付けて隔離されている河津皇子(かわつのおうじ)。蛙になったのは完全獣化の暴走みたい。
PC2:河津皇子のお付きをしている伊能柄樋(いのうつかひ)二代目。代替わりで“版”を受け継ぐので、「二版目」と呼ばれる。藤原鍋常(ふじわらのナベツネ)の謀で先代伊能柄樋が暗殺され、母長夏麻(おさなつま)を強奪されており、ナベツネに復讐を誓っている。
PC3:術をもって平安京の治安を守っている人々検怪異使(けがいし)の三休(さんきゅう)。兄弟子「一休」の命で河津皇子が京に仇なす存在かどうかを見極めるべく動く。
PC4:病床の皇女に仕える八休(ふぁっきゅう)。皇女の継母(狂気に侵されている)の命で、鬼と組んで河津皇子を捕えようとする。河津皇子を食べると皇女の病が治るのだとか。


以下誇張あり。


PC間の対立が織り込まれていたりして、中々面白そうな初期設定です。


セッションは、今現在河津の皇子がいる館は危険というので場所を移さねばならんというところから本格的に開始。
GM「辺りが何か変な雰囲気に包まれていますよ」
プレイヤー「ワーディングか……いや、瘴気だ!」
他のプレイヤー「それはいいね。じゃあ今後、ワーディングは瘴気、妖気ってことで」
姿を現す巨大な人影。「その蛙を渡してもらおうか」
伊能「何者ぞ。この方を誰と思つているのだ。河津皇子であるぞ。無礼であらう」
などと無理やり古風な仮名遣いで喋ってみたり。
とにかく鬼を倒します。


この辺りから戦闘嫌いなGMがぐったりし始めて、半分投げ槍になってしまうのですが、しかしセッション自体は、ここからがヒートアップ。


「もう適当にやっていきますよ」と言いながら、謎のNPCケツキクロウに案内させ、一行はある扉の前へ。その扉を抜けると何故か平安京が姿を現す。「今まで通った道が、巡り巡って都に通じていたのですよ」と説明するケツキクロウに、露骨に不信を表すPC達ですが、まあでも一応その場はそういうことにしておきます。
この態度に萎えたのか違うのか、いよいよGMが力尽き、淡々と物語を展開させ始めました。
まずはケツキクロウに与えられた薬で人間の姿を取り戻す河津皇子。
「ええとじゃあ、次のイベントは確か『王子の帰還』なので……」と、河津皇子と天皇との再会シーンを演出。
「次は王位を譲り渡すんでしたっけ」と、天皇位の譲渡。
この、露骨な「Once Upon A Time」のカードの消化に、げらげらと笑いながらプレイするプレイヤー。
職人のように話を展開させるGM。
翌日すぐ、天皇に死が訪れ、正体を現して大喜びするケツキクロウ。「ははは。これで天皇は死に、このケツキクロウが吸血鬼一族の摂政となるのだ! 残念だつたな、ここはお前達の平安京ではない」
この事実を知った河津皇子は、怒ってその鏡を(冠の代わりに)叩き割ってしまいます。
そこで戦闘発生、嫌いなのにも関わらずガチで戦ってくれたGMに感謝。
死に際に「しまつた。“始原の炎”はせめて消さねばこの都が燃やされてしまう……」
ここで我々は感心するわけです。
そして都に火を放ち、遠くへ旅立った
これを本当に消化するのかなあ……という疑問を持っていたところ、こんなギミックが。しかも、吸血鬼は炎に弱いという設定を活かしての解決です。
あれ、でも、皇子は旅立ったっけ……?


まあ、あまり何度もできる遊び方じゃありませんが、「Once Upon A Time」をRPGに利用してみるのも、いいかもしれません。
『輪廻戦記ゼノスケープ』なんてお勧めです。
「Once Upon A Time」の物語を前世にするのは勿論、自分の出したカードを「見知らぬ記憶」にするなんてコンバートも楽しそうです。