Once Upon A Time

「Once Upon A Time」というカードゲームをしました。
【妖精】【継母】など、物語の要素がカードになって手札として配られて、それを出しながら物語りをしていくゲームです。

ゲームのタイトルである「昔々」から語り始め、
【眠り】を出し、「始めには“眠り”しかありませんでした」
【夢】を出し、「じき、その“眠り”から夢が生まれ……」
「はい、ここまで。次のプレイヤーどぞ」
「はぁ? うーん……」
【怪物】を出し、「その夢は怪物の」
【計画】を出し、「陰謀だったのでした」
という風に。


「カードに書かれている物を出す」以外に、物語に関しては特にルールが無いために、プレイヤー各人の物語観の違いが、目に見える形で現れるゲームです。


※ 本当は、一文で何枚もカードを出すのは禁止みたいです。


「お前があそこで『一方その頃』とか言い出すのが、迷走した原因だよ」「いやでも、カメラがずっと同じ場面を映しているって、見ている方飽きるだろ?」
「『危ない、王女! 危ない、乞食!』って何ですか、恥ずかしい」「いや、よく、昔話だと話者が登場人物に語り掛けるでしょ?」
と、終わった後ではよく、吊るし上げと言い訳の応酬が見られることになります。


今回の、僕等の作った物語は、こんな物でした。



狂った王女が料理人と共に継母に遠くの小屋に追いやられた
料理人は(彼も狂っていたので)王女にカエルを食べさせようとした
しかしそのカエルは言葉を喋るカエルだった
カエルは逃げ出し、扉の前にたどり着いた
そしてカエルは偽りの姿を捨て、王子となって王の下に赴いた
王子の帰還に喜んだ王は、王子に王位を譲り渡した
しかし王は王位の証である冠を渡すと、すぐに病死してしまった
王子は冠を叩き壊し、嘆き悲しんだ
そして都に火を放ち、遠くへ旅立った
おしまい。


ダブクロセッション」に続く。