プレイヤー総ST経験者『ワーウルフ:ジ・アポカリプス』セッション

サークルで飲み会があったんですが、様々な思惑が絡まり合った結果、『ワーウルフ:ジ・アポカリプス』のセッションをすることになりました。しかも全員『W:tA』のストーリーテラー経験者です。

  • 思惑その1。持ちキャラでプレイヤーをやったことが二回くらいしか無い。他人のセッションに、STキャラクターとしては出てくるらしいのに……。もっとあいつを使ってやりたい。
  • 思惑その2。STばかりやってきた。プレイヤーやりたい。新しいキャラクターを作ることを思うとわくわくする。
  • 思惑その3。RPGサークルの飲み会と言えばセッションだろう。挑戦はいつでも受けて立ってやる。それが『W:tA』というなら相手にとって不足無し、だ。
  • 思惑その4。二年間もキャンペーンをやってきたのだ。『W:tA』に参加するのに、他にどんな理由が要るだろうか。
  • 思惑えす2。「その未来は今」でやり過ぎちゃったなあ。少しでも“深き沼の衛族”に迫る脅威を取り除きたい。


実は僕、以前、シナリオ集『Valkenburg Foundation』のストーリーテラーをしたことがあったんです。
(このシナリオ集については「骰子回転劇場・転」のレビューページをどうぞ。ネタバレあります。とか言って他人のふんどし。Professor さん、勝手にリンク張らせていただきました。)
その最終話が、諸事情で煮え切らないクライマックスになっちゃって、その後日談ができればなあ、とずっと思っていました。


そんな事情ですから、二重に動機が、それもストーリーテラーをする動機がある僕が、当然その任を引き受けるわけです。
夕食時間やお酒・おつまみの買出し時間を使ってシナリオを考えました。
その間にプレイヤーはキャラクターを作成したり、書き写したり、鞄から取り出したりしました。以下それ。必ずしも、上の思惑順とは一致しません。


リラーク・マー(忌腹、アーローン、ブラック・ヒューリー、クリアス)
姉妹(即ちヒューリー族)の盾となろうと思っているが、小さい頃から苛められ慣れたせいか、すっかり弱者体質が身についてしまい、結局境内で熊などの木造を彫っているだけである。いそうだけれど、誰かがプレイしたところを見たこと無いキャラクターです。


銭方路寿(人腹、ラガバッシュ、グラス・ウォーカー、アスロ)
最近ミネソタの地に、ロケットに乗って落っこちて来たアイアン・ライダー族の祖父を引き取りにはるばる日本からやってきた。妻と義妹を連れています。アスロであることには、本人以外、戦闘時まで気付きませんでした……。


シリー・フットフォール(狼腹、ガリアルド、サイレント・ストライダー、フォスターン)
臆病者のストライダーで、戦闘でもいつも誘いの隙でひらひらしているだけ。他人の下を離れ、ようやく本来のプレイヤーの手に戻って来ました。下のゴルティとコンビです。名前は、最初 Stilly Footfall と付けようとしたところ、間違って t を抜いてしまったので、名付け親のエルダーも間違えたことにして、そのまま採用されたようです。


『赤い舌』ゴルティ(狼腹、シーアージ、チルドレン・オブ・ガイア、フォスターン)
人語を喋れるようになる霊宝の、赤い舌がそのまま名前となった狼腹。生まれてすぐに耳にタグが付けられ、そこに「ゴルティ」と書かれていたため、そう名乗る。妙に人間に理解のある“人”道主義者。専門分野には全て【授け】を指定しているというガチっぷり。とにかく機会があれば影界に渡る性質があり、“影界厨”の異名を取る。これだけでも突っ込み所満載ですが、更に、今回は、キャラクターを作ったのとは全然別のプレイヤーが演じ、しかもそれがことごとくゴルティっぽいという最強キャラ。内輪では既にアイドルの扱いを受けています。


プレイヤーは全員ルールと世界観を知っているので、説明の必要がありません。素晴らしい。楽だ。
だから、ちょっと日中のセッションのことを話して、すぐにセッションを開始できました。その代わり、シナリオを作るまでに、割と時間を掛けちゃいましたけれどね。


前半はケルンの境内で適当に伏線をばら撒きつつ進めるも、このケルンはずっと使ってきた場所だし、この前キャンペーンを終えたばかりでもあります。ついついストーリーテラー・キャラクターのロールプレイに力が入って、「Valkenburg Foundation 後日談」+「昼間の雪辱」の積もりがすっかり「えいぞくであそぼう」に。
これが年月の積み重ねと、内輪の楽しさなんでしょうね。


ひとまず「街のある美術館で大変なことになって戻らないガルゥを助ける」というところにパックの目的を置き、そこへ向かいます。
が、そこに問題のガルゥは見当たらず、代わりに奇妙な絵を見付けます。
複雑な騙し絵なのですが、何かやばい雰囲気がする。
そこで、パックは、衛族のウクテナ族でシーアージ、しかもワーム知識まで持つガルゥを呼び出してその知恵を請うことに。
ええと、まあ、パック以外のキャラクターを頼ることは僕は気にしませんけど、ストーリーテラーの持ちキャラをこんな危険なことに呼ぶのは酷いと思います。
呼ばれたやって来たガルゥは、しかしその絵の鑑定に大失敗。安心して絵に触れる彼の目の前で、その絵からネクサス・クロウラーと行方不明のガルゥが登場。戦闘です。
シナリオの都合上少し弱くしたとは言え、ネクサス・クロウラー弱かったなあ。もう一人のガルゥの方が手強かったです。やっぱりペナルティ無しの複数回行動は強い。
それと、銭方が『Clanbook: Glass Walkers』に載っているやたらと強い【授け】を持っていて、そのせいでネクサス・クロウラーの<精気>が三分の一くらい持っていかれてしまったのも、弱く見えた原因。この時まで、そんな【授け】を持っているとは知りませんでした(苦笑)。
ここで時間の都合から幕を閉じ、続きはまた今度、ということに。いつできるかなあ。


ワーウルフ:ジ・アポカリプス』はロールプレイの材料がふんだんにあって、ルールを読んだり、ストーリーテラーをしたりしてこのシステムについて色々考えている人が集まった今回は、単純で即興の奇妙なシナリオでも、ただプレイしているだけで面白いことになる。話を進めたりGMの用意した謎を解いたりするのもそれで楽しいのですが、こういう風に何もなかった(予定の)ところで、プレイヤーが遊ぶというのも、また楽しい物です。
ただ、これには、そういった環境を育てないといけないのですけれどね。