二人(以上)映画鑑賞の勧め

今日はテレビで『ラヂオの時間』(映画の方)がやっていたので喜んで観ました。
感想とか、観るべき所とか、以前観た時と殆ど変わりないのが成長が無くて悲しいのですが、それはさて置きます。


部屋のテレビが壊れていて、今テレビを観ようと思ったら家族のいる居間で観なければなりません。
ですから日曜日の朝九時半なんかはかなり恥ずかしかったりします。
当然この『ラヂオの時間』も、家族と一緒に観ることになるわけです。
家族が一体どこで笑うのか、それが分かって随分新鮮な映画鑑賞になりました。


例えば、もうネタバレしてしまいますが、映画の終わりに放送局の入り口の前で、プロデューサーの牛島、ディレクターの工藤が、生放送の終わったラジオドラマ『運命の女』の続編について話し合っている場面があります。

牛島 「ハインリッヒが乗っていたのが水陸両用車というのはどうだ? 陸戦用とは一言も言ってない!」
とか何とか、あほなことを話しているわけです。
それを観ている僕は、あんな惨劇の後で、まだ次回作の話をしている、それもやり通した後の充実感ある爽やかな笑いを浮かべながら、というシチュエーションにもう止めてくれとぐったりしているんです。
そんな馬鹿な話があるか! でも、実際そういうことは、あるんだろうな……。と、恐ろしい気分を味わっているんです。
その横で家族は、大爆笑しているんです。堪えようとして、堪え切れずに笑っている様子がよく分かるので、本当におかしかったのでしょう。
そりゃ僕も「ハインリッヒー!」の所など、かなり笑わせてもらったんですが、その場面では軽く胃が痛くなるほど。なのに。


ある一個の人に真剣なことは、また別の人にはとてつもない喜劇になるのだということが、知識でなく身を持って体験できる出来事でした。
喜劇を観る時には笑いたがりの人、ホラーならば恐がりの人と一緒に行くと、二重に映画を楽しめると思います。


この映画の終わり方は大っ嫌いで、だからこそとても好きな終わり方です。