二度死んだ男

セッションは『トーキョーN◎VA TheDetonation』の「二度死んだ男」というシナリオです。

トーキョーNOVA The Detonation (ログイン・テーブルトークRPGシリーズ)

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その時、フェイト*1の島野シンゴは、コーヒーを吹きそうになった。
「パパを探して」――それも、貯金箱いっぱいに貯めた小銭を報酬に。
この依頼を持って来た女の世間知らずにも驚いたが(そして、それを受けてしまった自分にも)、その「パパ」が、クマのぬいぐるみになっていたとはな。
やれやれ、まだ8歳の依頼人にはどう報告したらいいんだ……。


警察機関最大手のブラックハウンド*2で、ある優秀な機動隊員が殺され、事件その物への隠蔽工作が行われたのが数箇月前。ブラックハウンドの内部でさえ誰も口にしない事件。
実はその精神は電子化され、ブラックハウンドの実験に使われていました。
完全義体を作って人格を入れ、それを大量生産するという実験です。
順調に見えたその実験も、一体のイレギュラーの発生により大きく崩れ、そしてついには破滅に至ります。
雇われたカタナ*3が、イレギュラーを起こした義体を破壊するまではよかったのですが、その手に握られていたぬいぐるみにカタナが興味を持ってしまったのが、ブラックハウンドの運の尽きでした。


二人きりになるとぬいぐるみは、自分が義体達の元となった人格ダグラス・ウェインだと自己紹介した後、静かに死なせて欲しい、つまり現存する全ての完全義体と自分の人格データを破壊して欲しいと依頼します。
それはダグラス・ウェインのパートナーであったはぐれ者のイヌ*4、ダグラスの娘アリサから父親探しを依頼されたフェイト、ダグラス殺しの濡れ衣を着せられ、晴らすべく動くトーキー*5を巻き込み、やがてブラックハウンドの悪事を暴く結果に――。


というオーソドックスなシナリオ。
久々にハードボイルドっぽい雰囲気で、わくわくしてしまいました。
サイバーパンクって呼んでもいいシナリオですかね*6


一年ぶりくらいに『N◎VA』をしましたが、そういえばこんなシステムでした。
表舞台では、(ルーラー*7ではなく)プレイヤーが、自分の演出したい格好いいシーンを作る。
情報収集は舞台裏で、演出・ロールプレイ無しに簡単に判定で済ませる。
ルーラーからシーンを与えることはたまにしか無い。
プレイヤーがどういう情報を得て、どういう風なシーンを作って、どうクライマックスに向けて動けばいいか、考えながらプレイしていく。
FEARのシステムの中では、随分とプレイヤーの権力(と、責任)が大きいシステムだなあ。
(この『N◎VA』観は僕が『TheRevolution』時代に培った物で、『N◎VA-D』では変わっているかも知れません。セッション一回じゃちょっと判断できませんでした)


とても丁寧に対応してくれるルーラーで助かりました。
こちらの質問には勿論ですが、予めデータの書き込まれたプロファイルシート*8、ルールサマリー、キャラクター毎に解説されているコンボの作り方、セッション中の動き方のアドバイスなど、とても行き届いていました。
セッション後に聞くと、プレイヤー時に随分痛い目に遭っているルーラーらしく、そのお陰で我々は救われたようです(笑)。


何でか分かりませんが、『N◎VA』は、たまに無性にやりたくなるんですよねえ。
他のシステムと違う感覚があるからでしょうか。


あ、タイトルの「二度死んだ男」というのは、勿論ダグラス・ウェインのことなんですが、僕のフェイトも二度死んで、二度《フェニックス》の神業で生き返らせてもらいました(笑)。
ほら、正義の探偵だから、危険な情報ばかりクリティカルに集めるんで……。

*1:『N◎VA』世界で探偵を指す言葉。

*2:警察組織は幾つかある。

*3:『N◎VA』世界で近接武器のスペシャリストを指す言葉。ここでは暗殺者の意。

*4:『N◎VA』世界で警察官を指す言葉。

*5:『N◎VA』世界でジャーナリストを指す言葉。

*6:システム自体は、サイバーパンクと呼ばれるのを拒否している印象ですし、同意しますが、シナリオ毎にはありえますよね。

*7:いわゆるGMのこと。

*8:キャラクターシート