着信アリ

映画のです。
つまらなかったんですが、ホラー映画で恐がれたのでよかったかなと。

着信アリ(通常版・2枚組) [DVD]

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ネタバレします。


前半、いや、最初の四分の一、恐かった。
電話が掛かって来るというギミックよりは、それを待つ時の間の取り方、沈黙の作り方が恐さに繋がりました。
あと、多分、カメラの置き方も。
演出か監督の仕事でしょう。
この辺、あまりホラー映画は観ていませんが、日本の映画の方が恐い気がします。
アメリカのは恐さも説明臭くて。


説明臭いで思い出しましたが、この映画も半分を過ぎてから説明臭かった。
最初の一人二人が死ぬ時、死因がさっぱり分からないので興味はまだ引かれるんですが、三人目でははっきりと怪奇現象が起き、主人公が殺される立場になってからは次々と怪奇が出てきます。
それに伴って急速につまらなくなります。
やっぱりホラーは「分からない」というのに、興味を引き付ける大部分を負っているようです。
でも、後半は一応でいいから怪異の原因を暴いておかないと観ていて納得しません。
大変なジレンマ。ホラー映画っていうのは作るのが大変そうです。
小説ならまだ別に見る所があるからいいのですが……。
この辺は当たり前のことなんでしょうか。


ただ、映像と音響は最後まで通してよかった。
音が鳴る時に、(多分)撮影現場で拾った音と、後から入れた、観客が登場人物の耳を通した物として聞く大きな音とを使い分けていたり。
小西なつみの死の宣告の受け方、携帯画面の中の映像も、微妙なぼかし方、動画のぎこちなさが好奇心をそそりました。
病院で、携帯電話に一度、勝手に一文字ずつ「おまえのいのち」と打ち込まれた後で「おまえの命」と変換された所も芸が細かくて、また、次の展開を進めていなくて、観ている方の気持ちを焦らしてくれました。


と、演出の部分ではいい所も多いのに、勿体無い。
恐くて、且つ面白いホラー映画って無いんだろうか。