ステージ制の力

クリスタニアRPG』のGMをしたんですが、シナリオのモチーフを得た段階で「ああこれは伝わらないな」と悟りました。


クリスタニアはご存じフォーセリアの遥か南方に位置する大陸なのですが、でも、アレクラスト大陸やロードス島とは大きく違っています。例えば獣の姿をした神様がいたり、数百年を単位として全く同じ時を繰り返す「周期」に従っていたり。
そういった「住人が僕達とは全然違う世界観を持っている」というのを伝えて、かつ、それがストーリー上の重要なギミックになるということをやろうとした時、これは僕のGM能力じゃ追い付かないな、と悟りました。


そこで取った方法。

  • ステージ制を使う

シーン制もちょっと考えたんですが、この場合ステージ制の方が合っていると思ったので。
ステージ制は、ストーリー上のキーワードを予めプレイヤーに伝えられ、しかもそれがどういう順番で使われるかも、提示できます。また、自分が登場するステージをプレイヤー自ら選ぶので、自然とGMと一緒に場面を作る展開に。
そして、これが重要なのですが、キーワードを明示しているので、プレイヤーがそれに注目しつつ、場面を見てくれるのです。だから、普段の感覚と離れていることをやっても、比較的伝わり易い。


あーもー、言葉じゃ伝わり難いですね。
巨神戦記ギガントマキア』からの偉大なる借り物なので、あれをプレイしてもらえれば一発なんですが。
今回真似してみて、『ギガントマキア』のステージ制の完成度の高さを実感しました。

  • 隠しステージを使ってラブストーリーを展開

最悪、やりたいことが伝わらなくても楽しんでもらおうと、隠しステージを使いました。
エンゼルギア 天使大戦TRPG』で「ヒロインからの好感度によっては隠しシーンがありますよー」と言われた時、(たとえその人物に興味がなくても)俄然隠しシーンが見たくなった経験から*1
で、最初は普通のラブストーリーをと考えていたんですが、どんどん趣味が入っていってクリスタニアっぽい恋の物語に。
そのせいか、ヒロインはPCにフられてしまいました(笑)。

  • ポエムを自作。

今回はシナリオタイトルが「レクイエム」なんですが、そんなわけでクリスタニアらしいレクイエムの歌の作詞をしてみました。
文化を示すのには具体的な物が必要かなあ、と。
あと、こうしてオモロ要素を振り撒いておけば、最悪テーマが伝わらなくても楽しんでもらえるかなと(苦笑)。
読み上げるのは恥ずかしすぎて無理でした。

  • なぞなぞ遊び

ポエムと同じく、具体的な物が必要かなと、クリスタニアらしさを実感できるなぞなぞを作ってみました。


色々ごまかし要素を詰め込んだ甲斐あって、僕のやりたかったことはみんなに伝わりました。
でも、PCの動機付けという基本的なところがうまくいかなくて、RPGもクリスタニアも不慣れな人は思うように動けず、クリスタニアにだけ不慣れな人はエンジンの掛かりが遅く、さらに、クリスタニアファンはナチュラルに楽しむ結果に……ばたっ。
ステージ性の採用は悪くなかった筈なんだけどなあ。
これから直して、コンベンションでやるので、時間があったら来てください。
http://circle.cc.hokudai.ac.jp/rpg/


最新のゲームから色々借りてやってみたセッションですが、今月中にはこの『クリスタニアRPG』が「日本最新のRPG」となります。
http://www.fukkan.com/vote.php3?no=5355

*1:「ぷっぷくぷー!」っていうアレ。