おうまがとき

夕食を取ってからは新作RPG、ほのぼのあったかろーるぷれいんぐ『ゆうやけこやけ』のセッション。初めてのプレイです。突発だったため、GMはフルアドリブ。
公式ページを見ると『メイドRPG』の神谷涼とは思えない、雰囲気のいい絵と文が載っていたので、気になっていたのでした。
http://www.sunsetgames.co.jp/rpg/youyake/youyake.htm
実際ルールブックを見ても世界観を聞いてもルール説明を聞いても、ほんと、雰囲気のいい物になっている模様。

ゆうやけこやけ

ゆうやけこやけ


しかし、それでも、不安が胸に満ち満ちて、いました。
と言うのも、このゲームは人に化けられる動物《変化(へんげ)》が、「可愛い」「癒し」な行動をする物だから。それができないとお話にならないから。
そのコンセプトに不安があったわけではありません。自分がちゃんと、そのようなプレイヤーキャラクターをできるか、という所に、です。
キャラクターを作って参考資料を読んでもさっぱりで、「ツンデレも可愛いに入るらしい」ということを教えてもらって何とかイメージだけは出来たのですが、やはり自分ができるかに関しては不安が拭えませんでした。

セッション

セッションは、変化が山の中、一人の倒れた人間を発見する所から始まります。
それはどうやら外国人、ブラジル人のようで一頻り仲良く話した後は、一目惚れした鳥のPCを除いて全員退場。
退場したPC達はその直後に、ブラジル人が倒れていた所で、一つの袋を発見します。中にはきのこが。それを食べた狸は視界が歪んでぱちぱちし始めます……。
でも人間社会には疎い変化達。きのこの招待に気付いたのは、《おとな》の特性*1が高い猫のみ。はてさてどうしたものか。


更に、街に行くと、黒い車に乗った黒い服、黒いサングラスを掛けた男がブラジル人を捜していることも分かります。
翌日猫は、ブラジル人に惚れているらしい鳥に、関わらない方がいいだか忠告するのですが聞き入れられず、挙句に喧嘩してしまいます。
その後山裾で、山に入って来る黒服の男と出会ってブラジル人の危険を悟り、鳥とブラジル人がいるらしい所に先回り。着いたそこではブラジル人が、自首すると言って鳥を困らせている所でした。
猫は黒服が来ると言って警告するも逃げる前にそいつはやって来て、みんな困ってしまいます。
そこで、狸の腹太鼓を契機に、猫は仲間を沢山呼んで辺りを引っ掻き回し、狸はお化けに変身して更に黒服を脅しに掛かります。
その間、鳥はブラジル人の手を取って空を飛び、どこか別の場所へ。
黒服はPCが引き起こした騒動に腰を抜かし……たりはせずに、でも、その場にへたり込んでいました。「喋る動物」「幽霊」「狸の腹太鼓」、祖母から聞いていたそれらが実在すると知って、喜びに感動していたのです。
とか言うオチのお話でした。
GMは、セッション直前まで散々と、「ブラジル人にすべきかロシア人にすべきか悩んでいた」そうで、ブラジル人でセーフでだった、の、かな?

雑感

いやもう、『メイドRPG』は何だったんだというのが一番強い(主観的な悪印象が強いので、差し引いてください)。こんないいゲームが作れるんだな……。ちょっと信じ難いので神谷涼以外のスタッフが優秀だったのかなあと思うんですが、もしほんとに神谷涼メインで作ったんなら、それはそれで喜ばしいことですね。
あと、こんなゲームがさらりと(?)作られてプレイされる土台を準備した井上純弌、藤浪智之、FEAR(僕の思い付く限り)のことも、忘れてはならないかと。


僕は猫のPCを担当したんですが、ご覧の通り(分からないかも?)徹頭徹尾何も考えず、ステレオタイプで通しました。勿論力不足が大きいのですが、ルールのせいもあります。
ゆうやけこやけ』では、「可愛い」「癒し」なプレイをすると、《夢》というポイントを獲得します。これを稼いで、使っていくことが、ゲームで重要なことになります。


「格好いい」とかもそうですが、こういう評価基準はその場の共通幻想に頼るしかありません*2。だからステレオタイプを外して新たな「可愛い」を創り出す、というのは殆ど不可能なわけです。
『ドラゴンアームズ』の《感情》や『カオスフレア』の《フレア》(「格好いい」と「受ける」を除いて)は、そういった共通幻想に頼らず、設定の通りにプレイすると、《夢》のようなポイントを貰えます。基準が(比較的)客観的です。その代わり、特にドラマチックだったり格好よかったり可愛いプレイでない、平々凡々なプレイでも、ポイントが貰えてしまいます。
どちらがいいというのでなく一長一短ですが、似ているようで結構違うので注意が必要だな、と、今回思いました。共通幻想に頼る時はその場の一体感が生まれて、設定通りにプレイする時には新しい表現の可能性がある、のかな?

追記

印象に反して、奇妙な「可愛い」を表現してのけたプレイヤーがいるとかで、RPGに関してだけでさえ、世の中広いなあ、と。
是非その人のプレイを覗いてみたい。

*1:人間社会の仕組み、機械の操作などへの理解度。

*2:まあプレイヤーの一人だけを狙い撃ちしてもいいんですけど。