高校生という生物

高校に通ったのも、昔のこと、日常をありありと思い出すことは難しい。
だからと言うわけではありませんが最近、RPGをして、プレイヤーキャラクターに高校生を選ぶことがとんとありませんでした。今日『輪廻戦記ゼノスケープ』でPC全員高校生と言われて、それを思い出すことになりました。

輪廻戦記ゼノスケープ (ログインテーブルトークRPGシリーズ)

輪廻戦記ゼノスケープ (ログインテーブルトークRPGシリーズ)

高校生キャラクターをプレイしない間に、高校生が人でなく、まるで異質な「高校生という名前の別の生物」、ファンタジー世界の住人であるかのような考えが頭を覆っていたことにも、気付かされたのでした。「コウコウセイ」という語を口に上らせるだけで考えるのをやめ、知った気になっていた自分に気付かされたのでした。


『ゼノスケープ』のPCは皆、《日常》という特性を六つ持っています。《日常》を全て失うと、現実の自分を失い、前世の自分の思いのままに行動する人となってしまいます。そういう意味でこれは重要な特性で*1、例えば「高校生」の職業パックなら、学校、顧問の先生、憧れの先輩などが並んでいます。
が、今回はPCの全員が高校生。職業パックの物をそのまま使ったのでは、同じになってしまって面白くない。そこで、みんな、自分のキャラクター専用の《日常》を、考え始めたのでした。


先ほど言ったように高校生というのが別の生物のように感じていたのでこれは最初、難航しました。
ようやくまともに考えられるようになったのは、「高校生だって、一個の人間なんだ」と気付いてから。ほんと、当たり前のことです。
一人の人間を、それが高校生であればと考えれば幾らでも考えようがあるのだなあ。


プレイヤーの一人は、高校生活はテンションが高くないとやっていられない、と考えて「テンション」をいう日常を作って、しかもそのテンションが失われてしまうと、次には「友達」が失われてしまう、と、鮮やかに《日常》を構成してしました。
別の一人は「プリクラ手帳」と「メタ化された友達」を使って高校生を生きた存在にしようとしました。
最後の一人は「地球環境」「生物界の調和」を重要な物として、同時に、「地球が悪夢を見る」ことを防ぐというゲーム自体の動機と重ねていました。


これを持って『ゼノスケープ』の《日常》のルールを褒める気はありませんし、《日常》のいい点はむしろ別にあるのですが、しかしこれが無いと、高校生のキャラクターなんて作れなかったのも事実。
職業名というキーワードで色々把握するのは、便利で、それだとまずい時にさえやってしまうので注意が必要だなあ。

*1:一応、「現世を守る立場」が、PCなので。ただこれには一筋縄でないテーマが潜んでいるように感じます。