冷たい密室と博士たち

森博嗣『冷たい密室と博士たち』を読みました。
『すべてがＦになる』は漫画で読んで小説は手に取っていないのですが、まあ一応読んだことにしてその続編です。

冷たい密室と博士たち (講談社ノベルス)

読み終えた第一印象は「普通のミステリーだったな」です。
『すべてがＦになる』は読者が推理できなかったのに対して、この本は「読者への挑戦状」を挟めるくらいちゃんと、推理できる要素を作中に入れていました。まあ推理できないタイプの方が好きなんですけど（笑）。
動機はあれは、ちょっと反則なのかも知れませんけれど。

でも解説で太田忠志が言うように、理系の人間をこんなにリアルに描けているのはいいなと思います（無論デフォルメはあります）。
やはり小説を読む楽しみの一つとして、自分とは異なる見方の人物に出会うというのは大きいと思うのです。

何かよく分からないけど最近、メフィスト賞を追っている形になっているので、次は『六枚のとんかつ』か『フリッカー式』でも読むべきなんだろうか……。