再会

歳を取ると感覚が鈍りますよね。
昔みたいな微妙な味わいは分からなくなりました。甘い物も、前ほどは食べられなくなったかな。
でも、嫌いだったピーマンやししとうは、食べられるようになりました。噛み潰したら口内に広がる、あの嫌な苦味に、堪えられるようになったのです。
まさか感覚が鈍くなってこんないいことがあったとは。


今日は再会の日でした。
相手はこっちのことなんて憶えていなくて、僕一人むず痒い感覚を味わっていました。この感じが丁度、子供の頃のあのししとうに似ていて。
少し前まではそういった場合、相手が僕を憶えてないと確認できたら知らん振りをしていましたす。
でも、今回は、向こうのことが好きだったのも手伝って、少し積極的になれました。
とは言え、いきなり「お久しぶりです」というのも勇気がいるので、ちょっと話をした程度ですが。
この辺が怯えが無くなって、大人になったと言えるのかもしれませんね。


再会のむず痒さも、そのうち、覚えなくなるのかもしれませんけど、でも今の状態も、ししとうみたいで美味しいですよ。


でもやっぱり、流石に僕のことは、憶えていませんでした。
相手は先生、毎年沢山の学生と会うわけですからね。