完璧な笑顔

僕は昔から笑うのが苦手で、「綺麗な笑顔なのは、絶対何か悪いことを企んでる時だよね。目がきらきらしてる」なんて言われたものですが、まあ、それから笑うこともよくあったし、今では人並みに笑顔は作れます。
でもやっぱり、苦手です。


お店に入ると、店員さんが笑顔で迎えてくれる所が多いと思います。
当然接客なわけですからいつもそうしてくれるのですが、でもやっぱり、仕事としてそうしているのが見えるので、安心します。


ところが。稀にいるんです、それが接客の笑顔なのか、本気の笑顔なのか、判別付かない笑い方をする人が。
店員さんだって人間だから、私生活でいいことがあったり、そもそも接客自体が楽しいということもあるのでしょう。
でも、それまで無表情で仕事をしていて、話し掛けた途端ににこりと、それも、本気で笑っているかのような顔を見せてくれる。仕事っぽい笑い方をしてくれるのなら、線引きがはっきりして安心して接せられるのですが、これはどう解釈していいやら……。
そんな動揺でついつい口篭ってしまいます。


今冷静に考えると、やっぱり接客なのだろうと思いますが、でも頭から離れないこの笑い方は、そして恐らくまた目にした時のその表情は、この考えを困惑せしめてくれることでしょう。
まあ、笑顔は可愛さ三割増って言いますしね。
また見に行ってもいいかも。