落ち損ねた花びらが

少し前の話なんですけど。
セッションが桜の木の下だったので、思い出したのです。


犬の散歩をしていて、ぶわっと後ろから風が吹き抜けて。
丁度桜の傍を通っていたので、花びらが舞うところに居合わせることができました。
一本の木から、多過ぎず少な過ぎない花びらが、互いに絶妙の感覚で流れて、落ちていく。
一枚、一枚。
左右に体を揺らしながらゆっくり地面に向かう花弁が、他のを追って漸く辿り着く時、また軽く風が吹いて、上に巻き上げられる。
落ち損ねた花びらが、少し可哀そうで、少し滑稽で、くすりと笑ってしまいました。


ずっと連絡を取っていなくて、他の人から何て言われるか分からないので取り難くて、でも久々に会いたいなあ、なんて思っていた人から、今日、連絡がありました。
遊びのお誘い。
よくまあ、連絡が来たもんだと驚きながらも、こういう時は素直な嬉しさがあって、周りに人がいるから変に見られるな、そう思っても止められずに、にやけてしまいます。


残念ながら、そのお誘いはお断りしたのですけど。
今度遊べるのは、いや、会えるだけでいいんだけど、いつだろうかな。
それまで、落ち損ねていられるかな。