ワーウルフ:ザ・フォーセイクン初プレイ

IRCで『ワーウルフ:ザ・フォーセイクン*1』をプレイしました。
ストーリーテラーが一人、プレイヤーが二人の簡単な物です。
セッション前に「難しいシステムじゃないし」と言ってのけたストーリーテラーが格好いい。IRCで懇意にしてもらっているWSさんです。


以下少し長いですが、プレイレポート。
大体僕のキャラクターの視点で語っています(マークとドロシーの初対面を端折ったり)。


物語は三つの場面から成っていました。
場面一は最近ワーウルフとして目覚めた僕のキャラクター、元消防士のタラフ・アイディーンが、森に入って帰って来ない少年マーク・アンテロープ(プレイヤーはcoyoteD20(id:coyoteD20)さん)を探しに行き、森の中小屋を建ててひっそりと暮らしている女性と出会う、という物でした。
思春期の、大人嫌いのマークが突っ掛かってくるのを大人の態度で華麗にスルーしつつ彼女(名前はドロシー)と話して分かるのは、実は彼女もワーウルフであること、実はマーク少年までワーウルフであること。
ドロシーがワーウルフの姿を現してタラフに襲い掛かる場面を目にして、それでも正気を保っていられるのは、同じワーウルフかその血を引いた者しかいないからです。*2
タラフがただ無知なだけで、自分に害なす者ではないと悟ったドロシーは爪を引っ込め、謝り、そしてこちらの疑問の幾つかに答えてくれました。
精霊のこと、人狼の社会のことなど。とても複雑なことになっているようなので、しばらくドロシーに色々と教えてもらう約束を取り付けるタラフ。そっちのけのマーク少年……。


場面の二はタラフがドロシーの属するストーム・ロード族*3(略してストロー)に入る為、通過儀礼をするところです。
森に連れて行かれて「服を脱げ」とタラフに命じ、自分も服を脱いでいくドロシー。
それをこっそり見ていて変な期待をするマーク少年。
残念ながら彼の期待は外れ、彼女はこう言います。「これから、野外で獲物を捕らえるだけの力があるかを試すわ。その姿のままで、私をとらえなさい」。
消防士の体力を誇るタラフはあっさりと彼女を捕まえ、(中略)、晴れてストーム・ロード族の一員となったのでした。
やっぱりそっちのけなマーク。


旧作の『ワーウルフ:ジ・アポカリプス』では出自が部族と大きく関係していたのに対して、今度の『ワーウルフ』では、どうしてその部族に入るのか、今一想像付きません。
その辺を、態々セッションを費やして埋めてくれたストーリーテラーに感謝。


そして最終場面。外で物憂げに月を眺めるドロシーから始まります。
マークのプレイヤーがもたもたしている間にさっさと彼女に話しかけるタラフ。
ごめんなさい、ここでもそっちのけでした、マーク。
タラフの〈共感〉技能は0レベルなので、話し掛けはしても彼女が何をうれいているのかさっぱり分からないタラフでした*4
そのうちに森の方から遠吠えが聞こえ、しかも近付いて来ます。
「小屋に入っていろ」というドロシーに反抗して*5外に留まるタラフ。
諦めて説明するドロシー。
あの遠吠えは以前自分を襲ったワーウルフのパックで、その時自分は、パックの他全員を犠牲にして何とか逃げ延びた。しかしワーウルフは、一度血を嘗めたことのある者を探すのにボーナスが得られる。*6自分は間違い無く、血を嘗められただろう。
だから奴等が追っているのは自分だ。自分一人で逃げるから、タラフとマークは別方向に逃げろ。
当然反対するが、かといっていい案も浮かばないタラフとマーク、とプレイヤー達。
暫くプレイヤー発言で相談が続いた後、タラフに噛み付き、血を嘗めるドロシー。「あいつらがわたしを追いかけるように、これでわたしはあんたをいつでも追いかけられる。だから先に逃げなさい。あんたは私の獲物だから、ぜったいに逃がさないから」
ドロシーと別れてその後闇雲にタラフとマークは町から逃げ出します。


お終い。
タラフの独壇場でした。申し訳無いです。


ワーウルフ』は、意外と、分かり易いのかもしれませんね。
彼等は、つまり、怪物なんでしょう。人の心をもった怪物。それが主題かと。まあ、結論には、まだまだ早いんですけど。
「新しいワールド・オブ・ダークネスはホラーっぽい」と言われる所以でしょうか。
その言葉を信じて、もう少しキャラクターを作っておけばよかったと思いました。
「ここがこのキャラクターの特徴なんだ!」というのが無い、箸にも棒にも引っかからないキャラクターを作ってしまった。
しかしまあ、既に(物語的に)いい体験をしてしまいました。このままこのキャラクターを使い続けますよ。


ストーリーテラーがとても上手でしたね。
最初にさらりと今日の物語の概要を説明したり。
雰囲気いっぱいの描写をしたり。
登場人物のちょっとひねた憎い性格、動きやすい状況設定、ストレスの溜まらない省略(オンセにも関わらず、僅か三時間でセッション終了)、『ワーウルフ』らしい小設定、物語……。
数え上げれば切りがありません。
セッションが終わってから数時間、何も手に付かなくなるくらい、惚れ惚れするようなストーリーテリングでした。


関連
coyoteD20 さんの日記:id:coyoteD20:20050629#p2


追記。
このエントリーは拙サイト犬キャラのコーナー「セッションレポート」の一コンテンツにしました。

*1:Werewolf: The Forsaken

*2:レッスン1

*3:Storm Lords

*4:判定したわけではありませんよ? ロールプレイです。

*5:少年ぽい?

*6:レッスン2