求めたくなる、ビター

大分肌寒くなり、なんてことが日記に書かれる一ヵ月後を睨んでか、明治製菓からビターチョコレート「noirノワール)」が発売されました。
札幌はもう肌寒いなんてものじゃないんですけど。


(コンビニで買えるレベルの)チョコレートというのも難しくて、ビターチョコレートは特に難しくて、中中新商品が出ません。*1
だから、冬が好きです。苦味のあるチョコレートが好きだから。それが出る季節だから。


実際ビターチョコレートは難しいのです。
お子様はこんな苦い物は食べず、
大人は大抵疲れているから、まろやかなミルクチョコレートやホワイトチョコレートに手を伸ばし、
ビターチョコは遅れて来たハードボイルドのような人が少数好んで食べるだけなのです。
その上多くの(コンビニレベルの)ビターチョコは、苦ければ何でもいいと言うかの如く品が欠けていたり、粗く造ったために「辛い」味になってしまうことが殆どで、よくても、甘みを増やして口当たりをよくした物です。
美味しいビターチョコレートというのは(コンビニレベルでは)滅多にありません。
……なんて書くと、ちょっと、格好いいかな?


何の話でしたっけ? そうそう、noir
これは丁度その隙間を縫った、美味しいビターチョコです。
こう、口で言うのは簡単なんですけど、甘くないビターチョコレートは珍しい。
一枚食べると、次に手が……伸びません。
これが大事。
次々と食べられるのは、甘みが過ぎる、と思ってしまいます。
一枚食べ切らないうちにコーヒーに手が伸びるのは、流石に苦過ぎです。
チョコを食べて、また暫くしてからチョコを食べる。合間に、コーヒー、紅茶を飲む。このリズムがいい、苦味と甘みと、口への残り方の巧く調和の取れた物です、この noir は。
お勧め。


なーんて言っておきながら、今公式サイトを見て知ったのですが、どうやらバニラが使われているみたい。
もしかしたらこれが、巧くカカオのえぐみを抑えているのかもしれません。抑え過ぎず、抑えている。
バランスというのは難しいものです。

*1:偉そうに語っても、チョコレート作りの工程すら知らないのですけれど。そういや『チャーリーとチョコレート工場』観ないとなあ。