ぞくぞくする

ここのところ風邪を引いていたのですが、いよいよ今日、熱が出てしまいました。
だるいのでお昼で早引け。
背中の真ん中辺りがぞくぞくします。
あー、だる。ダル形態*1


心待ちにしていて、ようやく発売された二宮ひかるハネムーンサラダ サウザンアイランド篇』を読みながらバス鉄*2で帰って来ました。

二宮ひかるは、女の人なのに、男から見た「女は分からん!」というのをとっても上手に描く人です。


ハネムーンサラダ』はサラリーマンの主人公(男)と、恋人(?)と、高校の頃の彼女の三人で一緒に暮らす、という状況設定。
勿論、元彼女が酔っ払って寝ている横の部屋で、主人公と恋人が始めてしまうなんて場面は何度もあって、そのたんびわくわくするのですが、実はこの主人公、とんでもない奴で。
長い間親元から離れて、親が苦手な恋人が、何とか勇気を出して、久しぶりに、本当に久々に実家に帰っている時。
「親が今夜いないんだ」と彼女を家に呼んで、レタスサラダとスパゲティミートソースのみでもてなした高校の頃をなぞるように、今度は元彼女が、レタスサラダとミートソースを作ります。
そしてその時に「(主人公に)フラれたのはこたえたな」と。
実は、三人暮らしの間何度も、そのことを伝えていたのですが、さっぱり気付かない主人公*3
気付かないと言うより、冗談だと思って流していたのですね。
然し、元彼女はそうではなかった。冗談めかしてはいても、全部本気だった。
あまりに鈍感で失礼な主人公に激怒し、「やっぱ あんたとふたりっきりでなんて 居られない」と出て行こうとします。
今出て行かれると二度と会えないような気がしたのか、止めようとする主人公。本気で出て行こうとする元彼女。取っ組み合い。
そのままヤってしまいます。


吹っ切れたかのように、主人公への愛を惜しみなく表現する元彼女。
恋人が帰って来るまでの何日間か、たっぷり愛し合って、そして、その恋人からそろそろ帰るとの電話があった時には「帰って来なければいいのに」と言う始末。
この瞬間、ぞくりと背筋が震えました。
恐らく普段読んでも興奮するとは思うんですが、風邪で、熱があって、寒気がするために倍加するぞくぞく。
あー、心地いい。


恋愛物を読むのに、予め熱を出して準備するのも、お勧めです。


そう言えば、どうやらこの「サウザンアイランド篇」と前篇に当たる「ソルト&ペッパー篇」を合わせても本来の『ハネムーンサラダ』には足りなくて、丸一巻分、話が抜かれているみたいです。
どうりで元彼女と、主人公の勤め先のシャチョーとのあれやそれが無いと思った。
うーむ……買い直すかな。

*1:ワーウルフ:ザ・フォーセイクン』参照。

*2:バスと地下鉄、の略。

*3:因みに読者の僕も、初めて読んだ時には気付かないくらい、分からない生き物でした、女って。