時をかける少女

さて上映。
気持ちのいい映画でした。お奨め。シナリオと絵コンテと両方欲しいなあ。
少しネタバレします。


映画は、高い所から落ちたり吹っ飛んだり、危険な状況になると数日、数時間の過去に戻ってしまうという「タイム・リープ」能力を手に入れた女子高生の紺野真琴のお話です。
最初は大喜びでやりたい放題、時間を戻してカラオケで、少ない料金で十時間も歌ったり。ちょっと都合の悪いことがあったらリセット、やり直したり。


しかしその楽しい生活も、男の子に告白されたのに戸惑ってやり直してなかったことにしてしまったところから雰囲気が変わります。
その男の子を避けているうち、段々彼が友人と仲良くなっていって、それが面白くない。同時に自分の「タイム・リープ」によって、誰かが不幸な目に遭っていることが見え始めます。さらに、その不幸が手伝って男の子と友人は益々仲がよくなり……。
これを同時に進めていくやり方が鮮やかで、いやがおうにも観ているこちらのテンションも上がっていきます。はらはらどきどき。


何もかもうまくいかなくなって困っているところへ、文字通り致命的な事件が起こり、そしてタイム・リープの秘密が明らかに。
あとは最後まで一直線。
真琴はタイム・リープを自分勝手に使うことを戒め、また自分の心に正直になることを学び、そして事態は一気に収束へ。
最後まで丁寧に作っていて好感が持てました。


繰り返しになりますが、二つの流れを同時に、それも密接に関連付けて描くのが巧いなあと思って何度も観たいし絵コンテや脚本も見たくなりました。
また、登場人物の造形やら服装やらなにやらが、まさに今求められているというかまあとにかく今だからこれ、という感じでよく勉強しているなあと。作っている人って結構年ですよね? 偉いよなあ。
主人公が行動的で色々動いて笑いもあってすっきり、誰でも楽しめる映画だと思います。