想像力欲しい
北村想「火の日のじけん」を読みました。
『北村想の劇襲』に入っている物です。
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「火の日のじけん」はもう殆ど空襲を待つだけ、みたいな小さな街で、新参者のキャメラマン栗須安吉が、何とも異常な感じのこの街の雰囲気に少しずつ触れていって……というお話です。
最後にどんでん返しあります。
戯曲は全然読まないので普通なのかどうかは分かりませんが、ちょっと、ト書きが凄い。
とか
張りつめた空気が、乞食の親子のところだけ呆気ている。
とかいうト書きが、平気で出てくるんです。
巨大な夕陽。それを撮っている栗須。世界は朱色のゼラチンに溶けている。
文脈を紹介しないと実感沸かないかも知れませんが、これを演出するというのは、どうしたらいいか、全然分かりません。
これを演出できる業界とは、その柔軟性や想像力には羨望を覚えます。
結局僕が書くとRPGの話になってしまうんですが、シナリオでこういう記述を色々出してくれると、世のGMに想像力が備わるようになるかも知れないのですね。
つか、『ヴァンパイア:ザ・マスカレード』や『ヴァンパイア:ザ・レクイエム』のシナリオなんか、結構こういう記述が多い気も……。