RPGの演出

僕が読んだシナリオ「Weaver Ascendant(すごいよウィーバーさん)」では、よく「だが今は、終末の時だ」というフレーズが出てきました。


このシナリオでは、他の変身種族の協力を取り付けるパートがあります。正確には、「取り付けるパートがあってもいいよ」と、提案されています。
でも、歴史的事情で変身種族は大抵、ガルゥを憎んでいます。そこで「だが今は、終末の時だ」ってわけで割と簡単に協力関係を結べるように書かれています。


これ、中々難しい。

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クロージング小説「Legacy」を読んでいて、昔プレイした『Past Lives』を思い出しました。
『Past Lives』では、PC達は闇影界あんえいかいを旅します。死者の魂が辿り付く所です。
そこでPCが出会うのは、衛族の主“おおばば様”。
「えっ、俺達が旅している間におおばば様死んじゃったの?」と思う頭を整理する間も無く、何だか意味深な言葉を繰り返します。
それで、「一体衛族に何があったんだ」「おおばば様は何が言いたいんだ」などとその場でもらもら議論を始めるのですが、最後にはおおばば様を残して、先に進むことにしました。


意味が分からなかったので終わった後、ストーリーテラーにこのエピソードの意味を尋ねたんです。
「静止ベクトルに会うって書いていたから」
今でも忘れません。
衛族の重鎮を出す、意味深な言葉を繰り返す、まともなコミュニケーションが取れない、こんなことを、「静止ベクトルに会う」それだけのために考える。
確かに、「その場に留まってしまう」。


クロージング小説のウェパウウェトという登場人物が、実際には関係無いんですが、そんなことを思い出させました。

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「Weaver Ascendant」でさらりと、「でも今は、終末の時だ」と書かれている所。
「アンタら嫌いだけどまあ今は終末の時だから協力しちゃうにゃ〜」とか言って変身種族が協力してくれるのはあり得ないわけで。
(可能性の話じゃなくて、NGだってことです)


「でも今は、終末の時だ」も引き伸ばさなくてはいけない。
なんか、RPGの演出ってかなり大変ですよね。
でも、それだけに、GMがどんなのを見せてくれるのか、凄い、楽しみ。


あれ、なんかまとまんなくなっちゃいました。
お終い。