夜の蝶

“世界一の魔法使い”*1ダークロアの過去の話。
ダークロアと、彼の死術の師匠のキリロと、犬の物語。


死術を教えろと言うダークロアに、では自分を殺せと答えるキリロ。そうすれば死の妖精がキリロとの契約から解かれ、ダークロアの契約に応じるだろう、と。*2
そうしてキリロの命を付け狙う傍ら、その殺し屋としての仕事を手伝う。
そんな、五年間。


頭の悪い単純な“いい話”ではなくて、彼等の心情が納得できる動きで、読者の日常にも潜んでいるほどの複雑さを持つ感情で、その上でのいい話。
リアリスティックでロマンティックと言えばいい、の、かな。


キリロの“正体”については、ダークロアと同じく、ずっと気付きませんでした。彼同様僕も馬鹿ですな(笑)。

*1:自称。

*2:この世界、妖精と契約を交わすことで、彼等の使う魔法の力を借りられる。神は神でまた別の力を持つ。