お終い

何度も言うように、これで「西風の皇子」シリーズはお終いです。
予想が付かない展開があったり。
想えば何でも叶う、だなんて易いファンタジーとは違う、意外と残酷な世界観があったり。
でもやっぱり、想いが、願いが、重要で、その意志がきちんと描かれていたり。
楽しい、いや、価値ある時間でした。
全く戦おうとしないし、実際戦えないほど弱っちい主人公で、よくこれだけの冒険を生き延びたなあ。お疲れ様。


ずっと思っていたのですが、挿絵の宮城とおこは、多分、結構頭使って構図やらデザイン考えていますよね。
ちゃんと小説を読んで、どう表現するか考えている、いい挿絵画家の気がします。
最初の『西風の皇子』の表紙で、ディディウスの胸がはだけているところなど。でないと男か女か分かりませんからね(笑)。
西風の皇子(ディディウス) (角川ビーンズ文庫)


『西風の贈りもの』で一番好きなのは「女神の秘密」かなあ。どの話も素敵で、「英雄の烙印」なんかとても好みなのですけれど、短編ならではの「女神の秘密」に軍配。


「女神の秘密」以外の三編は、「西風の皇子」シリーズを知らなくても楽しめると思うので、是非手に取ってみてください。
短いですし、長編よりずっと描写にアラが少ないので読み易いですよ。
そしてシリーズにはまるのです。